五感。

最近、ルピシアのキャラメルラムという紅茶を飲む。この紅茶とチョコレートを一緒にいただく時間が、最近のほっとする時間だ。

 忙しい1日の中にも、こういうほっとする時間は癒やしだなぁと思う。高校生の頃は、お茶を飲んでホッとするなんて考えたこともなかった。こんな幸せに気がつけたのも、自分が大人になったからだろうか。大人になるということは、責任を持てるようになることだと思っていたけれど、身の回りの幸せを見つけられることも大人の証なのかなぁ。

 

 早起きしてコーヒー豆をゴリ、ゴリ、ゴリ、と挽く時間も好きだ。

コーヒーの香りというものは不思議なもので、ただ「いい香りがする」というものではない。たまらなくリラックスするバラ園の香りのような、真っ赤に熟したイチゴのような、温泉に入ったときに嗅いだヒノキのような、秋に幸せな気持ちになれる金木犀のような、とにかく心をくすぐってる香りなのである。香りにホンモノもニセモノもないのだろうけれど、心をくすぐる香りこそ幸せになれると思うなぁ。干したお布団の香りも心をくすぐってくる。他には、雨が降ったあとの土の匂いも。

 自分が子どもの頃に比べて、今はデジタルなものに触れる機会が増えた。

紙をめくる時に過って指を切ってしまったことや、指で撫でる紙のざらつく質感や匂い、電車の窓から見える田んぼの日々の変化、太陽の位置で変わる光の方向、雨に濡れた葉っぱの艶や雨音のリズム。デジタルなものばかり見すぎて、以前より見えないものが、見過ごしているものがどんどん増えている気がする。

 今年はもっと、自分の五感に繊細でありたいな。